「ウィッシュルーム」をクリアしました。 [雑記]
風邪を引いたり仕事でヘバってたりして、かなり日が経ってしまったけど、DS「ウィッシュルーム」をクリアしたので感想のようなものを。
ジャンルはアドベンチャー。DSのギミックを活かして仕掛けを解きながら、謎めいた物語の真相を辿っていくのは「アナザーコード」と同じです。
今回は、舞台が70年代終わりのカリフォルニア郊外の安ホテル。主人公は行方不明の同僚を負う三十路の元刑事。ややハードボイルドな香りをさせつつ、暖かさとほろ苦さの混じり合う、落ち着いた雰囲気の中で語られるミステリー。
文章で語られるわけではないけど、粋な小説を読んでいるような感覚になります。
・・・やっぱ、肩の力が抜けた三十路男は人間味があっていいねぇ。
イイ感じにこなれつつ、消せない青臭さと現実との折り合いをつけるのはまだまだ不器用でさ。
(↑いや、真っ当な人間なら幾つになっても器用にはなれないよ。)
【ボリュームは充分】
寝る前に布団の中でプレイした時間が多かったので、何度か寝オチしてしまい、プレイ時間が73時間とか意味不明な数字になってしまいましたがw、実際のクリア時間は20時間程度みたい。アドベンチャーとしては丁度良いのではないでしょうか。
短すぎた「アナザーコード」に比べたら格段にボリュームアップしてて、それでいて冗長になった感じはなく、相変わらずの丁寧な作り。自分は30時間~40時間のRPGをやったのと同じくらいの充実感がありました。
【長所:相変わらずセンスが良くて丁寧な作り】
操作は縦持ちして、左画面が主人公の主観視点、右側がマップ。操作の仕方はアナザーコードとほぼ同じで、マップ上で主人公アイコンを動かして移動します。調べられる箇所や話が出来る場所に来るとアイコンが光るので、操作そのものに迷うことはありません。
登場人物は、手書きの鉛筆画が動くような独特のタッチのアニメーションで描かれます。これが70’というレトロさや作品の落ち着いた雰囲気とマッチして良い雰囲気。抑えた表現ながら、キャラの動かし方やカット割りのセンスがとても良いです。
調べてみたら、アニメを担当した「神風動画」って、「FFT獅子戦争」の手書き吉田絵風のムービーを担当した所でした。なるほどなるほど。あれも良い仕事だった。^^
「アナザーコード」に続けてやってみて好印象だったのは、前作の良さを残しつつ、欠点が地道に改善されてる所。完全に解消されたわけではないけど、そういう作り手の姿勢が何より好印象。
ボリュームが物足りない・・・と思ったら、ちゃんとボリュームアップしてる。オマケ要素もあるけど、オマケの数を増やして水増しするのではなく、ちゃんと本編が充実してる。
ゲームオーバーが無いので緊張感が低い・・・と思ったら、選択肢を間違ったりするとゲームオーバーがある。
ただ、ゲームオーバーの基準がやや理不尽な時があるのと、選択肢が展開に沿ってごく素直な方を選ぶだけなので、結局は形式的なものでしかなくなってるのは残念。
【欠点:相変わらず一本道すぎる】
前作とほとんど変わっていない欠点は、ガチガチの一本道な展開であること。
「小説のような感覚」というのは悪い点でもそのとおりで、このゲーム、起きるイベントの順番までほぼきっちり決まった一本道。いつ解いても問題がない仕掛けでも、ストーリーがそれを解く順番まで進まないと解くことが出来ないし、シナリオ上の選択肢も形式程度で、やや強引な展開もある。完璧に1本のレールの上を辿るしかないから余計に「小説」っぽくなってるんですね。
ここまで1本道だとプレイ感覚が受け身になってしまい、アドベンチャーとしてのモチベーションを下げている感じがします。それに、詰まった場合は延々と間が空いてしまうので、ストーリーの面でも損をしてるような。
そんな点が、次回作では改善されてるといいな~と思いつつ、Wii「アナザーコード:R」を購入予定に追加。
もちろん、良くも悪くも「小説のような」一本道さは変わらないかもしれないし、「文庫本」のような雰囲気はDSにぴったりなだけに、次作がWiiというハードに似合った物になるかも未知数だけど。
リスクは覚悟しつつも、購入して応援したいと思わせてくれる作品でした。
・・・DSで「ウィッシュルーム」の続編が出るともっと嬉しいな。
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