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ウィルキー・コリンズ「白衣の女」 [日記]

 最近、通勤バスとお風呂の中で読んだもの。

白衣の女 (上) (岩波文庫)

白衣の女 (上) (岩波文庫)

白衣の女 (中) (岩波文庫)

白衣の女 (下) (岩波文庫)

  • 作者: ウィルキー・コリンズ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1996/03
  • メディア: 文庫

 「びゃくえ」の女と読みます。「はくい」じゃないのであしからず。ナースは出ませんw
 ウィルキー・コリンズは好き~。長いけど~。月長石 も好き~。長いけど~。
 「白衣の女」は1860年に書かれたサスペンス小説の元祖と呼ばれているイギリスの小説。
 なんせ150年近く昔のことなので、素直にクラシカルな世界を楽しむのが吉。指紋の概念も電話も電報もない時代ですからね。

 1860年といえば、アメリカは南北戦争勃発の前年。ちょうど「風と共に去りぬ」で描かれた時代。
 日本では「桜田門外の変」が起きた年。ちょうど「篤姫」で描かれる幕末の時代。
 イタリアでは統一戦争の後、ガリバルディが南イタリアをヴィットーリオ・エマヌエーレ2世に献上して、イタリアがほぼ統一された年。
 ・・・だから何だって感じだけど、まあ、そんな時代の小説だよってことで。(^^;
 カルボナリ党がモデルらしき組織がちょこっと出てくるので、当時のイタリア史トリビアを知ってると意外な所が意外にリアルな事が分かったりします。

 コリンズの小説は、登場人物達の日記や手記がリレー式に並ぶ形で描かれるので、同じ人物の同じ行動が、語り手によっては全く正反対の解釈で描かれたりするのが面白いんですよね。語り手Aは人物Bを悪人として語るけど、語り手CはBを善人だと思ってる。今度はB自身が語り始めると、真実はAともCとも違ってた・・・みたいな。
 登場人物達が互いに語り・語られすることで、人物像にも厚みが出るのも面白いです。今から見ればあくまでもクラシカルな内容なので、さほど意外性はありませんけどね。


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